~Charlotte考察~ 西森柚咲(黒羽柚咲)

第一回目はCharlotteという作品において主人公乙坂有宇と同じく生徒会に所属していて「口寄せ」という能力をもち現役アイドルでもある柚咲について考えていきたいと思います。
【ネタバレ有り】
この作品のことを詳しく考えたり、アニメを一回見ただけでなくもっと知ろうとした人たちはたまに「ハロハロなかったら尺の問題は解決していたのに」という結論を見いだしてしまっている方が数多くいます。ですがCharlotteにおいて柚咲はとても重要な立ち位置にいるキャラだったりします。

1. 主人公乙坂有宇と同じ境遇を背負っている唯一のキャラ
ご存じの通りCharlotte6話にて有宇の妹である乙坂歩未が自らの能力「崩壊」により帰らぬ人となってしまいます。一方、柚咲も3話にて姉である美砂を過去に事故で失っていることが明らかになっています。このことからわかる通りこの作品において有宇のつらさや後悔を唯一共有できるのが柚咲であったということになります。これはアニメ7話での美砂の台詞からもわかると思います。

2. 柚咲の強さ
3話で登場してから柚咲は7話の有宇の家にシチューを持って行った時以外一度も暗い顔をしていないのです。いやwアイドルだから当然だろw などと思う人もいるかもしれませんが、ここが柚咲の強さでこの作品では本当に重要なところだと考えています。7話で有宇は自暴自棄になりかたっぱしから不良と喧嘩したりしていました。この理由が妹を亡くしたことからきていることは作品を見ている人はわかると思います。ですが同じ過去を背負った柚咲はこのように病んでいるシーンを見せたでしょうか?ほとんど見せてませんそれどころかいつも明るくみんなを笑顔にすることをいつも考えていました。自分はアイドルだと何度も言い聞かせつらいことを乗り越えてきたのかもしれません。
たぶんいないと思いますが 単純に美砂が嫌いだったんじゃね? などと考える方もいるかもしれません、ですがそれだけは絶対にありえません。
柚咲登場回の3話で美砂の名前がちらっと出ただけで反応したり、スカイハイ斉藤回の5話にて、柚咲が「姉のことになるとついつい語りすぎてしまって」というシーンも描かれています。
ここを取り上げるだけでも非常に仲のよかった姉妹なのだろうということがわかります。そうそれこそ有宇と歩未のように。
本来は、本当に好きだった姉を亡くしてつらくてつらくてどうしようもなく泣きたかったはずです、ですが先ほどもあげたように柚咲はアイドルでありみんなを笑顔にする存在であり必死に涙を隠してきたのでしょう。
これを考えるだけでもとても強いキャラだと言うことが理解できると思います。
同じkey作品であるリトルバスターズ神北小毬というキャラがいます。
小毬√では過去に兄をうしなっていて、ある日に猫が道ばたで動かなくなっているのを見かけ兄の死を思い出しものすごく気が病んでしまうというつらい話があります。
Charlotteに話は戻りますが6話で歩未の死をみて柚咲も本当はそうなってしまう可能性が少なからずあったはずである、だかそこが柚咲の強さであり、今一番辛いのは自分じゃなく有宇であると考え有宇の家に高城と押しかけたり行動を起こしていたのだろうと思います。この一番有宇の気持ちを理解できている分だけ何も助けることができなかったのは本人としてもとても辛い事だなと考えると今でも少し涙腺がゆるんでしまいます。


3. 12話にて
12話というとCharlotteの有宇が生徒会全員の能力を奪う回です。
この回は有宇の話もあるが尺の半分は柚咲、美砂にあてられています。本来すでにしんでしまっていたはずの美砂からの手紙を読み柚咲がこの作品で初めて泣いてしまいます。ここのシーンで柚咲は亡くなっているはずの本来届かない手紙を見て泣いてしまったのか?これはやはり謎に思ってしまう方が多いと思います。ここでの自分の考えですが柚咲は自分が能力を使っているときの記憶がなく美砂が表に出てきていることに気づいていませんでした。ですが、ずっと近くで見守っていてくれた美砂を少なからずどこかで感じ取っていたのかもしれません。そして柚咲の台詞で「姉は、いつも皆さんと一緒にいたんですね」「それならよかったです」というものがあります。ここで柚咲は自分の能力で美砂がずっと自分を見守っていたと気づいたのでしょう。そして柚砂が涙を流すタイミングの台詞が「柚咲、お前とずっと一緒にいたのにずっとすれ違いだったところだ、最高に愛している。」なんですが、最高にいいですねw。ここは生きていた頃アイドルの柚咲、不良だった美砂二人はとても中がよかったがいわば真反対の存在でありその頃からの事も柚咲はおもいだしていたのかもしれないですね。

4.西森柚咲と黒羽根柚咲について
6話で「私も親元を離れていて帰っても一人だからです」というシーンがあります。このシーンは柚咲が珍しく自分の本音を言っているシーンとも受け取ることができます。このときの表情はいつもに比べ少し暗い表情をしていました。この一言からするに一人は辛いという柚咲の感情を受け取ることができます。ですがこのシーン以外で柚咲はこんな表情をしていません、それはきっと柚咲が本音を隠し自分はみんなを笑顔にするアイドル西森柚咲と言い聞かせてきたからなのかもしれませね。
そしてこの台詞からしても美砂の死は間違いなく衝撃的でとてもとてもつらいことだったのでしょう。

5.語彙力がなくあまりまとめきることができませんでしたが、柚咲というキャラがCharlotteにいらなかったんじゃないかと思っている方にも、ただみんなと一緒に行動していたキャラという認識ではなくてこんなにいろんなものを背負っていたにもかかわらず、辛い顔をせず明るく振る舞っていたとても強くとても切ないキャラということがわかっていただけたらなとおもいます。  

① 黒羽柚咲という普段はただただ明るいキャラだけどいろんなものを背負っている人物である。
② 柚咲は乙坂有宇と唯一同じ境遇に居合わせた人物である

今回はこの2点だけでいいのでここを意識してCharlotteという作品をもう一度見直していただけるとうれしいです。